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論文

A Technique for determining the deuterium/hydrogen contrast map in neutron macromolecular crystallography

茶竹 俊行*; 藤原 悟

Acta Crystallographica Section D; Structural Biology (Internet), 72(1), p.71 - 82, 2016/01

 被引用回数:5 パーセンタイル:37.86(Biochemical Research Methods)

A technique for the determination of the deuterium/hydrogen (D/H) contrast map in neutron macromolecular crystallography has been developed and evaluated using ribonuclease A. In this technique, the contrast map between the D$$_{2}$$O-solvent and H$$_{2}$$O-solvent crystals is calculated using subtraction in real space. The present technique can thus utilize all the amplitudes of the neutron structure factors for both of the D$$_{2}$$O-solvent and H$$_{2}$$O solvent crystals. The neutron D/H contrast maps clearly demonstrate powerful detectability of the H/D exchange in proteins. In fact, alternative protonation states and alternative conformations of hydroxyl groups are observed at a medium resolution (1.8 ${AA}$). Moreover, water molecules can be categorized into three types according to their tendency for rotational disorder. These results directly indicate improvement in the neutron crystal structure analysis. Combination of this technique with the conventional neutron structure determination protocols thus makes more precise and efficient determination of the D atom positions in proteins possible.

論文

Structure of a highly acidic $$beta$$-lactamase from the moderate halophile ${it Chromohalobacter}$ sp.560 and the discovery of a Cs$$^{+}$$-selective binding site

新井 栄揮; 米澤 悌*; 岡崎 伸生*; 松本 富美子*; 柴崎 千枝; 清水 瑠美; 山田 貢*; 安達 基泰; 玉田 太郎; 河本 正秀*; et al.

Acta Crystallographica Section D, 71(3), p.541 - 554, 2015/03

 被引用回数:7 パーセンタイル:50.76(Biochemical Research Methods)

蛋白質を利用した希少・有害金属捕集材料の研究開発の一環として、中度好塩菌Chromohalobacter sp.560由来・高酸性$$beta$$-Lactamase(HaBLA)のX線結晶構造を解明するとともに、X線異常分散測定により、HaBLA分子上のCs$$^{+}$$, Sr$$^{2+}$$結合部位の抽出を試みた。PFのNW3AにてHaBLAのX線結晶構造を解明した後、Cs吸収端($$lambda$$=2.175${AA}$)近傍のX線を利用できるSAGA-LSのBL7やPFのBL17A、及び、Sr吸収端($$lambda$$=0.770${AA}$)近傍のX線を利用できるSPring-8のBL38B1やPFのBL5Aなどを使用して、HaBLA分子に結合したCs$$^{+}$$及びSr$$^{2+}$$を同定した。その結果、HaBLA分子上に少なくとも1ヶ所のCs$$^{+}$$結合部位、3ヶ所のSr$$^{2+}$$結合部位を発見した。特に、今回発見したCs$$^{+}$$結合部位は、Na$$^{+}$$がCs$$^{+}$$の9倍量存在する条件下(Na$$^{+}$$/Cs$$^{+}$$ = 90mM/10mM)でもCs$$^{+}$$を選択的に結合できることが明らかになった。このCs$$^{+}$$選択的結合部位は、Trp側鎖のベンゼン環によるカチオン-$$pi$$相互作用、および、主鎖の2つの酸素原子によってCs$$^{+}$$を結合していた。本研究で得たCs$$^{+}$$結合部位の立体構造情報は、原発事故によって放出された放射性Cs$$^{+}$$を捕集する蛋白質材料の設計(人工的Cs$$^{+}$$結合部位の設計)の土台として利用できる。

論文

抗体との複合体化によるタンパク質の立体構造決定法の開発とその応用

玉田 太郎

バイオサイエンスとインダストリー, 63(1), p.27 - 30, 2005/01

蛋白質の結晶化は、試行錯誤を要するばかりではなく成功に至らないことも多い。結晶構造解析において一番のボトルネックである結晶化を、筆者らは抗体との複合体化によって解決した。本稿ではトロンボポエチンの結晶構造解析における成功例を中心に抗体を用いた結晶化法について解説する。抗体の利用は、結晶化のみならず位相決定にも有用であり、試行錯誤を伴う重原子同型置換法によらない新規構造決定にも成功している。すなわち、抗体(Fab)領域については既知構造が存在しているため、既知のFab構造をモデルとした分子置換法により、トロンボポエチンの未知領域の構造まで決定することができた。さらに、通常、試行錯誤を要する高機能変異体作製を構造情報を元にピンポイントでS-S結合を新たに1本導入することにより、トロンボポエチンの安定性を25$$^{circ}$$C上昇し、vitro活性を10倍向上することにも成功した。

論文

PprA; A Novel protein from ${it Deinococcus radiodurans}$ that stimulates DNA ligation

鳴海 一成; 佐藤 勝也; Cui, S.*; 舟山 知夫; 北山 滋; 渡辺 宏*

Molecular Microbiology, 54(1), p.278 - 285, 2004/10

 被引用回数:133 パーセンタイル:91.4(Biochemistry & Molecular Biology)

デイノコッカス・ラジオデュランスの放射線耐性は、効率的なDNA2本鎖切断修復によるものである。ラジオデュランス由来のDNA修復欠損変異株KH311の解析から、ラジオデュランスの放射線耐性にかかわる新規の放射線誘導性遺伝子(${it pprA}$と命名)を同定した。この遺伝子産物PprAは、DNA2本鎖切断部位に結合して、大腸菌エキソヌクレアーゼIIIからDNAを保護し、さらにATP依存性及びNAD依存性DNAリガーゼによるDNA末端結合反応を促進する活性を持つ。これらの結果から、ラジオデュランスがPprAを主要因子とする放射線誘導性の非相同性DNA末端結合による修復機構を持っていることが示唆された。

論文

Crystallization and preliminary neutron analysis of the dissimilatory sulfite reductase D (DsrD) protein from the sulfate-reducing bacterium $textit{Desulfovibrio vulgaris}$

茶竹 俊行; 水野 伸宏*; Voordown, G.*; 樋口 芳樹*; 新井 栄揮; 田中 伊知朗; 新村 信雄

Acta Crystallographica Section D, 59(Part2), p.2306 - 2309, 2003/12

 被引用回数:19 パーセンタイル:75.55(Biochemical Research Methods)

硫酸還元菌(Desulfovibrio vulgaris)由来DsrDは立体構造中にDNA結合モチーフを持つことが判明している。本研究では、DNA認識における水素結合様式及び水和構造ネットワークの解明を目的として、中性子結晶構造解析を試みている。中性子回折実験に必要な大型結晶(1mm$$^{3}$$以上)を得るために、結晶析出相図とX線回折実験による結晶化情報の検討と、マクロシーディングを行い、1.7mm$$^{3}$$の単結晶を得ることに成功した。現在、結晶1軸方向での中性子回折実験データ収集が終わり、構造解析で水素水和構造の概要が見えたので報告する。

論文

コンビナトリアルタンパク質設計

河野 秀俊; Saven, J. G.*

生物物理, 43(4), p.186 - 191, 2003/07

一度に大量の配列の評価を可能にするコンビナトリアルタンパク質設計は、新規タンパク質の創製やタンパク質の折りたたみの要因探索において有効な手段である。しかし、実験的にスクリーニングできる配列の数は限られるため、目的構造に最適な配列や配列のライブラリーを理論的に生成する方法が開発されいる。本総説ではその方法論を紹介する。

論文

Hydration in proteins observed by high-resolution neutron crystallography

茶竹 俊行; Ostermann, A.; 栗原 和男; Parak, F.*; 新村 信雄

Proteins: Structure, Function, and Bioinformatics, 50(3), p.516 - 523, 2003/02

 被引用回数:54 パーセンタイル:76.77(Biochemistry & Molecular Biology)

蛋白質や核酸などの生体分子は三次元構築して初めてその機能を発現する。その構造構築の過程において、水素原子や水和水は重要な役割を果たしているが、これらの立体構造を決定できる方法は中性子結晶解析のみである。本研究では、三種類の蛋白質について1.5~1.6$AA $分解能での中性子結晶構造解析を行い、水和構造の詳細を明らかにすることに成功した。中性子核密度図上で水分子はさまざまな形をとっており、しかも、この形状と水分子のダイナミクスとの間に重要な相関が見いだされた。今回明らかになった水分子のダイナミクスは、コンピューターシミュレーションやNMRでの溶媒和解析の研究に対する有益な情報となることが希望される。

論文

構造生物学; X線と中性子の相補性

新村 信雄; 茶竹 俊行

波紋, 13(1), p.47 - 50, 2003/01

構造生物学におけるX線と中性子の相補性については中性子構造生物学を特徴付けるため補足的に書かれる場合が多く、記述は断片的である。ここではX線と中性子の相補性だけに焦点を絞って系統的に書いてある。まず、プローブ特性の違いからくる実験技術に関係する相違、次に、中性子がX線に比べて最も特徴的なことは、水素原子が観測しやすいことであり、X線と中性子で水素原子を観測する際の相違を個別的かつ系統的に議論してみる。最も大きな差異としては、線束の強度差と水素原子の散乱能がある。X線は中性子に比べて強度が強いので、ハイスループットでの蛋白質立体構造決定に適している。一方、中性子は強度は弱いが、水素原子を高精度で見ることが可能であるので、蛋白質の精密構造解析に適している。

論文

分子シミュレーションと中性子散乱による蛋白質のダイナミクス研究

北尾 彰朗

波紋, 12(2), p.80 - 83, 2002/04

分子シミュレーションと中性子散乱はどちらも原子レベルでの蛋白質立体構造のダイナミクスを明らかにするための重要な手法であり、両者を組み合わせることで蛋白質ダイナミクスの解明がさらに促進されると期待される。これまで分子シミュレーションから明らかになってきた蛋白質ダイナミクスの概観し、最近おこなっている非干渉性中性子非弾性散乱スペクトル計算について述べ、今後の中性子散乱実験の可能性について議論する。

論文

Posttranslational modification of the ${it umuD}$-encoded subunit of ${it Escherichia coli}$ DNA polymerase V regulates its interactions with the $$beta$$ processivity clamp

Sutton, M. D.*; 鳴海 一成; Walker, G. C.*

Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America, 99(8), p.5307 - 5312, 2002/04

 被引用回数:37 パーセンタイル:51.75(Multidisciplinary Sciences)

大腸菌${it umuDC}$遺伝子産物(PolV)は、DNA損傷チェックポイント制御及び乗り越えDNA合成に関与している。2種類の${it umuD}$遺伝子産物,UmuDとUmuD'蛋白質と、複製型DNAポリメラーゼ(PolIII)との相互作用の解析は、${it umuDC}$遺伝子産物がどんな生物学的役割を果たしているのかを調べるために重要である。われわれは、UmuD蛋白質がUmuD'蛋白質よりもPolIIIの$$beta$$クランプに対して高い親和性を有しており、この親和性にはUmuD'には欠けているUmuD蛋白質のアミノ酸N末端アーム部の存在が重要であることを示した。さらに、$$beta$$クランプと架橋剤${it p}$-azidoiodoacetanilideによってクロスリンクする特定のアミノ酸残基を同定し、PolIIIとの相互作用に重要な蛋白質の構造部位を限定した。

論文

The LexA protein from ${it Deinococcus radiodurans}$ is not involved in RecA induction following $$gamma$$ irradiation

鳴海 一成; 佐藤 勝也; 菊地 正博; 舟山 知夫; 柳沢 忠*; 小林 泰彦; 渡辺 宏; 山本 和生

Journal of Bacteriology, 183(23), p.6951 - 6956, 2001/12

 被引用回数:91 パーセンタイル:83.76(Microbiology)

放射線抵抗性細菌デイノコッカス・ラジオデュランスにおけるLexA蛋白質のRecA誘導への関与について研究を行った。野生株と同様に、${it lexA}$遺伝子破壊株においても$$gamma$$線照射後にRecA蛋白質合成の増加が認められたことから、デイノコッカス・ラジオデュランスではLexAがRecAの誘導に関与していないことが示された。

報告書

第182回基礎科学セミナー中性子構造生物学ワークショップ「溶液散乱によって開かれる蛋白質構造研究の新しい地平」報文集; 2000年2月9日~10日,東海村

藤原 悟

JAERI-Conf 2001-004, 228 Pages, 2001/03

JAERI-Conf-2001-004.pdf:16.25MB

平成12年2月9日~10日に、原研・東海研究所で「溶液散乱によって開かれる蛋白質構造研究の新しい地平」と題された中性子構造生物学ワークショップが開催された。大学、研究所及び民間企業から約36名の出席があり、24の講演がなされた。この報文集は、講演の要旨並びに講演会が講演に用いた図表等の関連資料をまとめたものである。

論文

細胞の「ストレス蛋白質」の意外な役割

小林 泰彦

放射線と産業, (56), 55, 47 Pages, 1992/12

生物の固体や細胞を、急に平常よりも数度高い温度にさらすと、「熱ショック蛋白質群」が誘導される。この現象は熱の他にも酸素欠乏や重金属などの様々なストレスによっても引き起こされることから、最近ではもう少し広い意味でストレス応答ともよばれている。ストレス蛋白質の構造は、大腸菌からヒトに至るまで進化的に非常によく保存されており、生物進化の早い段階で発達した、生命にとって普遍的に重要なものであることをうかがわせるが、ごく最近、それらの機能が分子のレベルで相次いで明らかになった。放射線も、細胞のストレス応答を引き起こす要因のひとつであるが、筆者らは放射線抵抗性細菌Deinococcus radioduransの著しい放射線耐性機構を研究しており、この細菌が放射線や熱などのストレスを受けた際に誘導される蛋白質をいくつか発見し、それらの構造と機能の解明を目指している。

報告書

放射線防護等へのバイオテクノロジーの適用に関する調査・研究(2)

not registered

PNC TJ1295 92-002, 65 Pages, 1992/02

PNC-TJ1295-92-002.pdf:1.8MB

近年、ライフサイエンスの研究レベルは飛躍的に向上し、生体を研究するためのツールとして、遺伝子工学、蛋白工学、糖鎖工学、発生工学、細胞操作技術など従来では到底実現できない実験系を作成すること、及びその利用による生物の研究が行われるようになってきている。これらの研究ツールは、原子力開発や放射線利用の分野でも、生物や環境への影響、環境保全、環境修復などの研究においても、研究の新たな局面を拓く有用な手法となることが期待されている。本調査研究においては、原子力分野におけるバイオテクノロジーの適用の可能性を検討し、環境安全関連の分野における今後の研究開発の考え方、テーマの設定等について提案した。

報告書

放射線防護等へのバイオテクノロジーの適用に関する調査研究(1)

not registered

PNC TJ1295 91-001, 206 Pages, 1991/03

PNC-TJ1295-91-001.pdf:6.29MB

近年、ライフサイエンスの研究レベルは飛躍的に向上し、生体を研究するためのツールとして、遺伝子工学、蛋白工学、糖鎖工学、発生工学、細胞操作技術など従来では到底実現できない実験系を作成すること、及びその利用による生物の研究が行われるようになってきている。これらの研究ツールは、原子力開発や放射線利用の分野でも、生物や環境への影響、環境保全、環境修復などの研究においても、研究の新たな局面を拓く有用な手法となることが期待されている。本調査研究においては、原子力分野におけるバイオテクノロジーの適用の可能性を探るという視点から、原子力分野と関連するライフサイエンス全体の調査を実施した。

論文

タンパク質-親水性ビニルポリマー混合系を担体とする制癌剤の徐放化

浅野 雅春; 吉田 勝; 嘉悦 勲

高分子論文集, 39(5), p.333 - 338, 1982/00

 被引用回数:3 パーセンタイル:25.27(Polymer Science)

蛋白質-ビニルモノマー混合系を担体とする薬物との複合体を低温放射線重合法と熱変性処理法を組合わせることによって調製し、複合体からの薬物の放出性について検討した。系中に含まれる2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)を-78$$^{circ}$$Cで放射線重合させたのち、アルブミンを熱変性処理したとき、複合体からの塩酸ブレオマイシン(BLM)の放出速度は最も抑制された。この抑制効果は架橋ポリマーを共存させることにより、さらに有効であることがわかった。一方、放出試験を蛋白質分解酵素存在下で行なった場合、混合組成における仕込みHEMA濃度の増加に伴ない消化性は著しく低下したが、組成と消化性との間に加成性が成立しなかった。走査型電子顕微鏡観察、放出試験などの結果から、アルブミン単独系の担体にビニルモノマーを共存させることによって、BLMの放出性および複合体中に含まれるアルブミンの消化性を顕著に抑制できることが明らかになった。

論文

熱変性タンパク質を担体とする制癌剤の徐放化

浅野 雅春; 吉田 勝; 嘉悦 勲

高分子論文集, 39(5), p.327 - 332, 1982/00

 被引用回数:5 パーセンタイル:35.85(Polymer Science)

制癌剤を含む水溶液をアルブミン、ヘモグロビンのような蛋白質と混合し、適当な形状に成形後、熱変性処理を行うことによって蛋白質-制癌剤複合体を調製した。この複合体からの制癌剤の放出性と複合体の消化性の関係について検討した。制癌剤の放出速度は用いた蛋白質の種類のみならず、蛋白質の変性時における温度・時間、複合体作成時の水分含量および加圧条件に大きく依存することがわかった。この場合、牛血清由来のアルブミン結晶物を担体とした時が、制癌剤の放出が最も抑制された。一方、蛋白質分解酵素存在下で制癌剤の放出試験を行なった場合、経時的に複合体表面に多数の空孔構造が形成された。この空孔構造は熱処理した複合体の変性度の不均一性に依存するもので、変性度の低い部分から消化作用を受けていくと考えられる。この場合、制癌剤の放出速度は複合体の消化によって著しく増加した。溶出性(放出性)、酵素分解性(消化性)への$$gamma$$線照射効果も一部検討した。

口頭

巨大カドヘリン分子の立体構造決定

松本 淳

no journal, , 

カドヘリンは、細胞どうしを接着する機能を持つタンパク質であり、細胞膜上に存在している。カドヘリンの細胞内部分は、いくつかのタンパク質を介して、細胞骨格と呼ばれる構造とつながっている。一方、細胞外部分は、ほかの細胞のカドヘリン分子と結合し、細胞間の接着を担っている。カドヘリンには、多くの種類があり、細胞外部分が非常に大きなものが存在する。本研究では、巨大カドヘリンFatとDachsousの電子顕微鏡画像をもとにして、これらのカドヘリンの3次元立体構造の構築を計算機手法により行った。その結果、これらのカドヘリンは、巨大な細胞外部分を折りたたむことにより、狭い細胞間隙に収まっていることを明らかにした。さらに、折りたたみは常に同じ部分で起き、そこでは、通常のカドヘリンが有するカルシウムイオン結合能がないことを明らかにした。

口頭

好塩性タンパク質におけるCs$$^{+}$$選択性結合部位の発見

新井 栄揮; 安達 基泰; 玉田 太郎; 徳永 廣子*; 石橋 松二郎*; 徳永 正雄*; 黒木 良太

no journal, , 

数多くの金属イオンと相互作用する可能性がある好塩性タンパク質分子を利用して、希少金属・有害金属イオンの結合部位を見出す研究を進めてきた。今回我々は、X線結晶解析により、中度好塩菌${it Chromohalobacter}$ sp.560由来・HaBLAの立体構造を解明するとともに、X線異常分散測定により、HaBLA結晶構造中のCs$$^{+}$$, Sr$$^{2+}$$結合部位の抽出を試みた。Cs$$^{+}$$の同定にはSAGA-LSのBL7、Sr$$^{2}$$+の同定にはSPring-8のBL38B1およびPFのNW12Aを使用した。本研究の結果、HaBLAの結晶構造中に、Cs$$^{+}$$に由来する17.5$$sigma$$レベル以上、Sr$$^{2+}$$に由来する7.0$$sigma$$レベル以上の異常分散差フーリエ電子密度を見出し、HaBLA分子上に少なくとも1ヶ所のCs$$^{+}$$結合部位、3ヶ所のSr$$^{2+}$$結合部位を発見した。特に、今回発見したCs$$^{+}$$結合部位は、Trp側鎖のベンゼン環によるカチオン-$$pi$$相互作用、および、主鎖の2つの酸素原子によってCs$$^{+}$$を結合しており、Na$$^{+}$$がCs$$^{+}$$の9倍量存在する条件下(Na$$^{+}$$/Cs$$^{+}$$ = 90mM/10mM)でもCs$$^{+}$$を選択的に結合できることが明らかになった。

口頭

A View of the regulatory mechanism of muscle contraction from protein dynamics; A Neutron scattering study of muscle thin filaments

藤原 悟; 松尾 龍人; 山田 武*; 柴田 薫

no journal, , 

In order to investigate the regulatory mechanism of muscle contraction in terms of protein dynamics, we carried out neutron scattering experiments on the native thin filaments (NTF) in the presence and absence of Ca$$^{2+}$$ and F-actin using the dynamics analysis spectrometer ${it DNA}$ at J-PARC. The elastic incoherent and quasielastic neutron scattering experiments showed that NTF in the -Ca$$^{2+}$$ state is more flexible than in the +Ca$$^{2+}$$ state, and that this difference in flexibility arises from the different distributions of the local atomic motions. Comparison with F-actin suggests that the differences arise from the regulatory proteins. These results imply that regulation of the protein dynamics plays an important role in the regulatory mechanism of muscle contraction.

口頭

中性子準弾性散乱を用いた筋収縮蛋白質及び水和水のダイナミクス解析

松尾 龍人; 荒田 敏昭*; 小田 俊郎*; 藤原 悟

no journal, , 

F-アクチン・ミオシンS1蛋白質及びそれらの水和水のダイナミクスを中性子準弾性散乱(QENS)を用いて調べた。蛋白質由来のQENSスペクトルの解析から、F-アクチン構成原子の滞留時間はS1よりも短く、静止原子の割合もF-アクチンの方が小さいことが分かった。これらの結果は、F-アクチンではS1よりも高頻度に揺らぐ原子の割合が大きいことを示唆している。水和水由来のスペクトル解析から、S1水和水の並進拡散係数はバルク水より小さいが、F-アクチン水和水のそれはバルク水と同等であることが分かった。水和水の滞留時間は両者共にバルク水より大きく、両者間に顕著な違いは見られなかったが、回転相関時間はF-アクチン水和水の方が短かった。これらの結果は、S1水和水の運動性がバルク水より抑制される一方、F-アクチン水和水はバルク水に似た高い運動性を持つことを示唆している。このような特徴を持つ水和水とF-アクチンの協調的な相互作用がF-アクチンの揺らぎを増大させ、ミオシン結合に最適な構造を取り易くさせていると考えられる。

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